27 Gap 【隙間】

27 Gap 【隙間】



次の休日、昴は綾音を連れ、母の墓参りをした。

花を供え、周りの草を抜くと、

小さく遠慮がちな墓石も、元気を取り戻したように見える。


「お母さん、私、来月『クリアコンクール』なの。絶対に頑張るから見守って……」


綾音は両手を合わせそう報告をした。立ち上がると隣に立つ昴と場所を変わる。

昴は同じように墓の前で腰を下ろし、両手を合わせた。

冬の色を濃くした北風が、昴の頬を少し強めに触れていく。

昴は、拝む姿勢はとったものの、何を心に思い浮かべればいいのかわからず、

しばらく動かないまま、じっと両手をあわせたままになる。


「お兄ちゃん、何長々と話しているの? お母さんに……あ!」


綾音は、何かを思いついたのか、座っていた昴をどかすようにして、

また両手を合わせた。そして最後に何度も頭を下げる。


「どうした、急に」

「お母さんにお願いしたの」

「何を」

「言わない」


綾音はバケツとひしゃくを手に持つと、それを片付けにいく。

二人が置いた線香の煙は、風がピタリとおさまったおかげで、

迷うことなくまっすぐに、空へと伸びた。





墓参りを終えた二人は、綾音の希望でそのまま『小麦園』へ向かった。

康江と約束したことがあるのだと、綾音は楽しそうに笑う。

二人が『小麦園』に到着すると、玄関広場に子供たちの輪が出来ていた。


「あぁ、綾音、昴も」

「よかった、先に着いたんですね」

「そうなのよ……」


広い玄関の脇に、1台のピアノが置いてあり、

子供たちが順番を争って椅子に座り、音をさせては歓声をあげていた。


「これは、どうしたんですか」

「実はね……崎本さんなの」


綾音は、福岡にいる裕がまだ東京にいた頃、

調律の契約をしていた『音楽教室』が、この秋で経営をやめることになり、

数台のピアノが処分されることになった情報を聞きつけ、

その1台を『小麦園』に寄付してくれないかと、社長にお願いしたことを話した。

『小麦園』の活動を知った社長は、快く応じ、

裕は東京に残る同僚に、調律をしてほしいと頼んだ。


「崎本君が……」

「そうなの。東京に残っている友達にお願いしてくれて。
輸送代も知り合いの業者に頼んでくれたから、本当に格安なのよ。
ほんの少し前に、調律が終わったみたい」


自分たちが自由に弾けるピアノに、子供たちの目は輝き、

綾音はその順番を決めると、鍵盤の叩き方を教え始めた。

昴は、普段家で練習するときに見せる真剣な表情とは違い、

子供たちに時折笑顔を交えながら教えている、綾音を見続ける。


「さぁ昴、玄関に立っていないで、中に入って。それから綾音、
記念に何か弾いて頂戴」

「はい……でも園長先生。子供たちが飽きるまで、待ってあげてください。
みんな本当に嬉しそうだから……」


昴は康江と一緒に食堂へ向かい、廊下とつながる窓を開けた。

子供たちは鍵盤を思い思いに叩いていたが、

やがて綾音に、何かを弾いて欲しいとねだりだす。


「うん……そうだな」


綾音が座る椅子の上には、昴がここへ初めて来た日に撮った写真が飾ってあった。





『これは大変だからさ、こっちでいいようにしておくから』





母を失い、アパートを出ることが決まり、役所の職員が引越し業者をつれて来た。

母の思いが残るピアノを手放したくはなかったが、まだ高校生だった昴には、

どうすればいいのかわからず、結局業者が言うように、

処理を頼むことしか出来なかった。

その後、綾音と一緒に『小麦園』を訪れ、思ったよりも広さがあったことを知り、

あのピアノを持ってくればよかったと思い、役所の職員に頼み業者に連絡を取ったが、

すでに担当をした人物が、勝手に売りさばいた後で、逆に文句を言われてしまう。



『ガキのくせに、何面倒なことを言ってるんだよ。こっちが売ってやったんだろ、
本来なら手間賃取るに決まっているじゃないか。
ピアノの代金と交換にしてやっているんだ。そんなに大事だって言うのなら、
お前が買い戻せ』



「綾音……」

「はい」

「『愛の夢』を弾いてくれないか」


昴の記憶に残る母が、いつも弾いてくれた曲。

綾音は『わかった』と頷き、膝に乗っていた子供を下へおろす。


「ねぇみんな、それじゃ今から『愛の夢』という曲を弾きますね。
ちょっと難しい曲だけれど、とっても綺麗な曲だから、最後まで聞いてくれる?」


子供たちは嬉しそうに手をあげ、綾音とピアノを囲むように膝を抱え座った。

綾音は両手を鍵盤の上に置き、一度大きく深呼吸する。

綾音の奏でる『愛の夢』は、子供たちが集う『小麦園』の中に、

優しい音を広げていく。





『何を見ているの?』

『あぁ……昴。ママね、あの森を見ていたの』

『森?』

『あれはね、立原音楽大学って学校なのよ。ママが行きたかった場所』

『行きたいの?』

『ママね……ピアニストになりたかったの』





ピアニストになりたかったという母の思いと、

苦しい生活の中で、いつも笑顔でいてくれた母の姿が、綾音の音に重なっていく。




『でも、それが『愛情』なんですよね。
男女の愛とは違うけれど、その人のためにと思い行動する力は、
本当に強いものだって……。母を失ってみてあらためて思うので……』




子供たちに囲まれ、ピアノの前に座る綾音の顔は、優しく、幸せに満ちたものだった。

昴はその表情をじっと見ていることが出来ずに、下を向いてしまう。


「昴……」

「はい」

「よくやったわ、本当によくやった」


康江はテーブルにお茶を出すと、昴の隣に立ち、綾音の演奏する姿を見る。

初めて『小麦園』を訪れた時の綾音は、昴と別れるのが嫌だと、

廊下の隅に座り込み、声を出して泣き続けた。


「はい、綾音はよく頑張っていると思います」


いつまでも子供だと思っていた妹は、昴が両手で懸命に作った囲いから飛び立ち、

大きな羽を広げようとしている。

その羽の輝きは、どこまでも眩しく、羽ばたくごとにピアノが音を乗せた。


「違うわよ、昴がよくやったとそう言っているの」


康江の言葉に、予想外だった昴は、顔を上げた。

康江は、演奏している綾音の背中を見ながら、微笑んでいる。


「ここに綾音を預けた後、両手を握り締めながら出て行った昴の背中は、
今でもよく覚えている。就職を決めたら、必ず引き取りに来ますって、
そう何度も言っていた」


昴は大学に通い、バイトをしながら綾音にピアノを習わせた。

母と別れ、自分と離れている小さな妹が、笑ってくれるのはピアノの前で、

昴はその笑顔を見るために、必死に戦ってきた。


「いくら兄妹だからって、ここまで出来るものじゃないわ。
亡くなったお母さんも、きっと褒めてくれると思うわよ。
『立原音楽大学』で立派に学んでいる綾音も、
社会人としてしっかりと地に足をつけて、妹を育てた昴に対しても……」


昴が小学校低学年だった帰り道、先生に褒めてもらったことを話すと、

母は通学帽子を取り、髪の毛がクシャクシャになるくらい、

嬉しそうに頭をなでてくれた。


「そろそろいいはずよ」


康江の言葉に、思い出の中にいた昴は、ふと我に返った。

何がいいのかと、顔を見てしまう。


「そろそろ、自分の幸せを考えても、バチは当たらないわよ。
言ったわよね、『自分を幸せに出来ない人は、人を幸せにすることが出来ないって』」

「……はい」

「綾音は、今、とっても幸せなのよ、
だからこうして『小麦園』の子供たちに幸せを分けてくれている。
心からのプレゼントは、誰の気持ちにも届くものでしょ」


康江の言葉は、昴の心にずっしりと入り込んだ。

確かに、崎本と出会い、頑張っている綾音は、しっかりと芯を持ちたくましくなった。

兄としてただ怒りを震わせても、とても叶わないくらい思いも強く、

跳ね返されてしまいそうになる。

『愛の夢』は終わり、子供たちと康江から、大きな拍手が起こった。

綾音は椅子から立ち上がり、コンサートの時と同様にしっかりとお辞儀をする。


「すごいね、お姉ちゃんすごいんだね、どうしてこんなに上手なの?」

「上手だね!」


子供たちは次々に興奮状態の感想を述べ、綾音にまた何かを弾いてとお願いする。

綾音はその中で一人、下を向いたままの女の子に声をかけた。


「どうしたの? ピアノは嫌い?」


女の子は下を向いたまま首を横に振る。


「弾いてみる?」

「……弾けないもん。私、ピアノなんて習ってないから弾けない」


その女の子は、座ったまま涙をポロポロと流し、

クラスのお友達がピアノを習っていることをうらやましく思うが、

自分は『小麦園』にいるので、習うことが出来ないと悔しそうに言った。

綾音は女の子の手を取り、ピアノの椅子に座らせる。


「お名前は?」

「さくら……蓑田さくら」

「そう、さくらちゃん。私も『小麦園』にいたのよ。
小さい頃にお母さんもお父さんもいなくなってしまって、ここで大きくなったの」

「本当?」

「うん……」


康江は食堂を出ると、さくらちゃんのところに近付き、

お母さんの病気が治ったら、お父さんが迎えに来てくれると肩を叩く。


「そう、さくらちゃんにはお父さんとお母さんがいるんだね、
私は、お兄ちゃんがいてくれたの。お兄ちゃんがピアノを習わせてくれた」


綾音は食堂の中にいる昴の方を示し、子供たちは一斉に振り返る。


「私が、ピアノ大好きだったから、
ピアノがあるとね……お母さんがいなくなってしまったことも、
我慢して泣かずに頑張れたから、お兄ちゃんがずっと助けてくれたの」


子供たちのまっすぐな眼差しが、昴を捕らえ続ける。



「お兄ちゃんがいてくれたから……ここまで来られた……」



綾音の言葉に、康江は頷き、昴に向かって大きく拍手をした。

子供たちもそれに合わせるように、拍手を重ねていく。

昴は、どう反応していいのかわからずに、黙ったままになる。


「ピアノはね、触れたら触れるだけうまくなるから、毎日、毎日、弾いてごらん。
しっかりとした先生に今は習えなくても、触っているだけで上手になれるの。
私も学校がお休みのときに、教えに来てあげる」

「本当!」

「本当、本当」


嬉しそうな子供たちの声が響き、綾音はまた椅子に座る。

音楽でも習う『きらきら星』を、モーツアルトの『きらきら星交響曲』として弾き始めた。

昴は食堂を出ると、綾音を見つめる康江の肩を叩く。


「先生、綾音に先に出ると伝えてください」

「一緒に帰らないの?」

「少し立ち寄りたい場所がありますので」

「昴……」


背を向けて演奏を続ける綾音には声をかけずに、昴は『小麦園』を後にした。





昴が向かった場所は、あの思い出の公園だった。

幼かった自分と、この場所から『立原音楽大学』を見つめた母との思い出の場所。

ピアニストになりたかったという、母の夢を叶えるために、

とにかく前へ進み続けてきた。

ピアニストにはならずに別の道を歩くと言った綾音に、はじめは強く怒ったものの、

決して現実から逃げているわけではない妹の挑戦に、昴は言葉が出なくなる。



『お母さんも褒めてくれると思うわよ。『立原音楽大学』で立派に学んでいる綾音も、
社会人としてしっかりと地に足をつけて、妹を育てた昴に対しても……』



少し強めの風が吹き、昴は思わず目を閉じる。

康江の言うとおり、目標を定め、前向きに努力している綾音のことは、

母も満足だと褒めるだろう。たとえピアニストにならなくても、ピアノを愛し、

子供たちにあれだけの夢を与えられる存在になれたのだ。


子供が走ってくる音がして、昴は閉じていた目を開ける。

幼稚園くらいの子供二人は、そのまま空いているブランコに乗った。

漕ぎ始めると、右側のブランコだけがギーギーと音をさせる。

子供たちは、2、3分で飛び降り、そのまま公園を立ち去った。


二つのブランコは、同じように動いているのに、右側だけが不快な音をさせ続ける。

鎖が古いままだからなのか、つなぎの箇所に問題があるからなのかはわからないが、

聞いているだけで気分が重くなった。

昴は音をさせるブランコの横に立つと、自分の左手で動きを止めた。

黒くさび付く鎖の箇所を強くつかみ、自然に揺れ続けるブランコを見る。



『お兄ちゃんがいてくれたから……ここまで来られた……』



不快な音を残すことなく揺れ続けるブランコを見ながら、

昴は、綾音の言葉を思い返す。昴は、さび付いたブランコに座り、

冬の風に吹き飛ばされないよう、必死にこらえる木の葉たちを、

じっと見つめ続けた。





それからまた、綾音は本大会に向け、練習の日々だった。

歯車が上手く回っているからか、生活にもメリハリがあり、

食事の時にも裕の話を出し、楽しそうに笑う。


「それでね……」


昴の携帯が揺れ、その相手を確認した。

メールの相手は部長の橋場で、明日早急に動いて欲しいことがあるという、

業務連絡だった。


「素早いのね、お兄ちゃん。携帯取るの」

「……そうか?」

「うん。サラリーマンは大変なのね、いつもそうして気にしていないとならないなんて」


昴は綾音にそう言われて、適当にごまかしたが、実際、常に携帯を意識していた。

というのも、予定をキャンセルした利佳子から、

全くその後、連絡がなかった。

『契約内容』に一ヶ月の中で最低会う回数は決められているが、

キャンセルをした相手からの再約束を待つのがルールで、

これだけ期間が空くことは珍しい。


「忙しいんだ、仕事」

「忙しいことは忙しい……かな」


綾音はそうなのかと頷き、何かをためらうような顔をした。

昴は、言いたいことがあるのなら言いなさいと、携帯を閉じる。


「本大会、代表者1名につき4人までチケットをもらえるのだけれど……」


昴は綾音の言葉が止まるのを感じ、『崎本君』を呼ぶのかと問いかけた。

綾音はこっくりと頷く。


「あとね、悠菜さんにも来て欲しいの。お兄ちゃんが誘ってくれない?」


綾音は、自分からではなく昴に誘って欲しいと頼む。

昴は、食事を終えた食器を重ね、それを流しに運んだ。


「そうだな、住友さんに声をかけておくよ。彼女も気にしてくれていたし……」

「……本当? 声をかけてくれる? 一緒によ、一緒に来てくれるでしょ、
お兄ちゃんが」

「……あぁ……そのつもりだけれど」


綾音はそうしてほしいと嬉しそうに頷き、自分も食器を重ねると、

流しへ運び出した。


「絶対に失敗しないように、練習しないとね」


昴はスポンジに洗剤をつけながら、どこか嬉しそうな綾音の後姿を見た後、

ワインの瓶を置いた場所にある、『七五三』の写真に目を向けた。





「本当ですか?」

「あぁ……綾音もぜひにと。
悪いけれど、来週のスケジュールを開けておいてほしいんだ」

「はい、ぜひ!」


次の日、昴は通勤途中であった悠菜にすぐ声をかけ、

『クリアコンクール』の招待客として、リストに入れておくことを告げた。

悠菜は自分が演奏するわけではないのに、ドキドキすると笑顔を見せる。


「楽しみにしています」


悠菜の言葉に、昴は『ありがとう』と頭を下げ、軽く微笑んだ。





そして、12月の第2日曜日。

全国の『音楽大学』などで勉強した25歳以下の演奏家などが集う、

『クリアコンクール』当日を迎えた。

会場となったのは東京の一流ホールで、プロの演奏家もコンサートを開く場所だ。

扇形に設置された観客席は、『立原音楽大学』のホールよりもふたまわりほど大きい。

悠菜は会場の入り口で待ち合わせをした昴を待ちながら、

速くなっていく鼓動を、落ち着かせようと必死になる。


「私が演奏するわけではないのに……」


演奏者の一覧が張り出されている前に立ち、『畑野綾音』の名前をじっと見る。

この演奏会で銅賞までに入ると、1年間の活動を支援してくれることが決まっていて、

その代わり、地方で行われるイベントでの演奏参加が、義務付けられた。

しかし、それはさらなるステップアップになることであり、

演奏者たちにとっては、どうしても欲しい称号の一つとなっていた。


「住友さん」

「あ……おはようございます」


悠菜は、掲示板に綾音の名前を見つけたと昴に話した。

昴はその名前を誇らしげに見ると、ポケットからチケットを取り出し、悠菜に渡す。


「すごいですね、『銅賞』にまで入ることが出来たら、
活動費の援助もあるって、ここに……」

「はい……しかし、20人以上の参加者から、毎年4名です」

「4名?」

「部門ごとに1名ずつ最優秀賞が贈られるのですが、その中から金と銀が1名ずつ、
銅が2名選ばれます」

「部門ごとの最優秀から……ということは、
賞には入らない最優秀もいるということですか」

「はい。『ピアノ演奏者』のトップに立ち、さらに全体の賞に入るというのは、
そう簡単なことではありません。
ここまででも狭き門ですし、綾音はまだ3年生ですから、
ここに来られただけで、いい経験だと思わないと」

「そうなんですか……そんなに」


昴は会場内へ向かおうとしたが、悠菜は掲示板を見たまま、動こうとしない。

『住友さん』と声をかけたが、周りの人の声に消されているのか、反応もなかった。

昴は動かない悠菜の背中を、じっと見る。


「そうですよね……『立原』でも3名しか出られないコンクールですもんね。
20数名の中に、入れただけでもすごいことなんですよね」


悠菜の言葉に、昴もあらためて参加学生の一覧を見る。

ピアノを弾く学生は、全部で7名になる。


「私も……綾音ちゃんを見習って、もっと、もっと、頑張らなくちゃ」


悠菜はそういうと振り返り、昴に会場の中へ入りましょうと、

明るく声をかけた。





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コメント

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やな予感

朝のバタバタと過ぎていく時間
ほほえましく読みましたよ
私もそんな時期があったのよね~
遠い昔のようですわ、懐かしい^^

渡瀬は昴とはライバル会社なんですね
悠菜の立場が心配
豊川は悠菜と渡瀬の関係を知ってるのか・・・やな予感がするわーー;

昴が悠菜によって、硬く凍った氷が解けていくような感じを受けます

これから起こるであろう波乱を想像すると
胸がいたいわ(TT)

懐かしいでしょ

yokanさん、こんばんは

>私もそんな時期があったのよね~
 遠い昔のようですわ、懐かしい^^

私も、乳母車ママさんが、子供をあやしながら買い物をしている姿を見て、懐かしい……と思うこともあります。立ち向かっているときは必死でも、きっと懐かしくなるときが来るんでしょうね。


>昴が悠菜によって、
 硬く凍った氷が解けていくような感じを受けます

はい。話の口調、様子も変化を見せている昴です。
そうなると、視線は前を……となるのですが。
波乱を想像しながら、さらに先へお付き合いください。